屋久島・西部林道で出会う野生動物と森の魅力
- cap innovation
- 8月22日
- 読了時間: 3分
更新日:5 日前

屋久島西部に位置する「西部林道」。普段はレンタカーで島内を一周する際に、ただ通り過ぎるだけの場所かもしれません。
しかし、この道を走れば道路脇でヤクザルがのんびり昼寝をしていたり、ヤクシカが落ち葉をムシャムシャと食べていたりと、愛らしい野生動物たちの生活に出会うことができます。
私たちのツアーでは、道路から森へと足を踏み入れ、約2時間半〜3時間のハイキングを楽しむことができます。
なぜ西部林道は世界自然遺産なのか
まず注目したいのは、このエリアの大部分が「世界自然遺産」に含まれている点です。屋久島全域が登録されていると勘違いされがちですが、実際に遺産指定されているのは島のわずか21%ほど。そのほとんどが山間部で、海岸線では西部林道だけが登録されています。
しかも、この道にはアスファルトもカーブミラーもガードレールもあります。一見すると人工物が目立つにも関わらず、なぜこの場所が登録されているのでしょうか。
人の手を免れた「原生に近い森」
その理由のひとつが、人の手による開発がほとんど及ばなかったことです。西部林道は急峻な山の斜面にあり、かつては道も通らず人も住まなかった地域でした。
屋久島では江戸時代から森林伐採が始まり、大正時代には急速に広がりましたが、この西部地域はその波を免れました。集落ができても規模は小さく、大規模開発が行われなかったため、広大な「原生に近い照葉樹林」が残されたのです。
照葉樹林は東アジア沿岸に広がる森で、日本では人間活動の影響によりごく一部しか残っていません。その中で屋久島の照葉樹林は、国内でも有数の規模を誇ります。
海から山へ広がる植物の垂直分布
もうひとつの魅力は、海抜0mから標高1,500mまで一気に駆け上がる地形による「植物の垂直分布」です。
海岸線ではガジュマルやアコウ、クワズイモといった亜熱帯性の植物が茂り、標高が上がるにつれてスギ、ツガ、モミ、ヒメシャラへと植生が変わっていきます。
狭いエリアでこれほど多様な植物の変化を見られる場所は、日本国内でも非常に稀です。

野生動物との出会い
このエリアのもう一つの特徴は、野生動物の豊かさです。屋久島の動物たちは餌付けされておらず、完全に野生のままの社会生活を私たちに見せてくれます。
特にシカの生息密度は世界一とも言われており、サルやシカのユーモラスな姿を観察していると、自然と笑みがこぼれてきます。


ハイキングの安心ポイント
コースは整備されていませんが、急な登りや危険箇所はなく、ゆるやかな下り道が中心です。
トイレはありませんが、ガイドが簡易的なトイレブースを設置しますので、携帯トイレをご持参いただければ安心です。
実際に70代以上のお客様も多く参加されており、幅広い世代が楽しめる内容です。
島内一周と組み合わせた特別な一日
ツアーの途中では、迫力ある「大川の滝」や、美しい砂浜が広がる「永田いなか浜」にも立ち寄ります。ハイキングと島内一周ドライブを組み合わせた、屋久島ならではの贅沢な体験です。

照葉樹の森を歩き、野生動物と出会い、ダイナミックな景観を巡る——。皆さまのご参加を心よりお待ちしています。